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チャンスをものにできる人、モノにできない人がいる。だが、チャンスをモノにした人が、必ずしもその後の人生が順風満帆とは限らない。逆もおおいにある。むしろ、その方がふつうではないか。
現在、5時40分。カミさんの仕事は休み。疲労と心労が続いている。ゆっくり寝ていてもらいたい。こちらは行動開始だ。
今朝は、サッカー男子日本代表の強化試合「日本×アメリカ」がある。会場はオハイオ州コロンバス。日本の秋田市とほぼ同じの北緯40度にあり、現在の気温を調べてみたら、福岡市と同じ26度である。
ということは、わがアビスパ福岡の本拠地の気温と同じではないか。
あーあ、安藤智哉(26歳)がいたらなぁ。万能型のディフェンダーとして、せっかく日本代表に選ばれていたのに。それらしいオーラも発散するようになって、力強い言葉にも拍手を送っていたのに。
愛知県出身の無名の選手が4年間で、J3からJ2、J1のアビスパまで駆け上がり、リーグ戦の開幕から半年もたたないうちに日本代表に選ばれた。彼の試合をはじめて観た解説者たちもほめちぎっている。
日本代表ゼロのアビスパの肩身の狭さも吹き飛ばしてくれた、期待と希望の星なのだ。それなのに、渡米する直前の試合(清水エスパレス戦)で、脚をケガしてしまった。出場辞退はこの瞬間で、あっけなく決まり。本人の悔しさはいかばかりか。
熱心なアビスパ・サポーターのカミさんと共有する夢は、元アビスパの冨安健洋と安藤がワールド・カップの晴れ舞台で、両者並んでピッチに立っている雄姿である。
冨安もケガが完治していない。だが、彼には不動のポジションが用意されている。安藤はそうではない。ふたりのキャリアにも、評価にも、明らかな差があることは歴然としている。
だが、安藤のことを、「チャンスをモノにできなかった男」のひと言で片づけるのは、まだまだ早い。日本を背負う隠れた逸材を、目を皿のようにして探している森保監督も見捨てていないと思いたい。
アビスパを引っ張っている闘将・奈良竜樹もオリンピック出場は確実と見られていた。その彼もケガで離脱を余儀なくされた。そんな不運に泣いた男たちが這い上がっていく様子を、安藤もたくさん見てきたことだろう。
最後に、当たり前のことをひと言だけ。
それは、「プロの選手はすごい」ということだ。技術や体力だけではなく、一流選手が発するオーラもすごい。中日のユニフォームを着た現役の星野仙一と後楽園球場のロッカー裏の通路ですれ違ったことがあった。そのときの空気はビリビリふるえていた。とにかく、カッコいいのだ。
安藤の顔つきも、雰囲気も、以前とは一目瞭然に変わっている。有望選手だから、ほか球団が目をつけても不思議ではない。
アビスパは資金力が弱い。安藤自身、さらなる高みを目指して、移籍を重ねてきた経歴がある。注目されるのはうれしいけれど、心配のタネがまた増えた。
今日の試合の結果は、2−0で、日本代表の完敗。内容もよくなかった。あーあ、安藤が活躍するシーンを見たかったなぁ。
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